File 10. JS Combat

来ました!「この板どうよ?」の第10回目にして、ついにあの、JS Combat Modelのインプレを行っちゃいまいますよぉ〜。

このボードは一部でアンディが乗るボードとささやかれ、現在、極めて人気の高い板の一つだと思います。僕が入手したルートの人間に、それってホントなの?(アンディモデルなの?)とそれとなく聞いてみたところ、実は既にファクトリーサイドに同様の質問をしていたらしく、「違います。でも、アンディのような体格の人が乗るようなボードです。」という回答だったようです。ど〜も臭いですねぇ〜。今や誰が見てもアンディがJSに乗っていることは周知の事実ですが、表面上、正式な契約はHICとなっています。なので、これがアンディ・モデルです、とは言えないんじゃなかろうか?そんな匂いをプンプン感じるのは、僕だけでしょうか?

さて、今回、全くアンディのような体格でない僕がテストライドを敢行しました。もちろん、サーフィンの腕など、アンディの足元にも及ばないゴーゴーですが、そんな一庶民の自分が、アンディのような体格の人が乗るボードに乗れちゃうんですから、全く素晴らしい世の中です。

さぁ〜て、入水!しましたよ〜。

パドル時に何となく感じるのは、びみょ〜に浮力がテール寄りかも?という感覚です。見た目的にも、若干ですがボリュームが後方に集中しているように見受けられます。僕の場合、普段から比較的前方にポジショニングしてパドルする方なので、あまり前に乗り過ぎるとノーズが下がりすぎてしまう感覚があります。テイクオフについては、まあまあかな、という感じで、特別早いという感じは持ちませんでした。いたって標準的な感じ、または、そこそこ良好な感じじゃないでしょうか?

JSは、これまでにスタンダード、フライボーイ(後でインプレ出しますが、これもまた素晴らしい板です)に乗りましたが、レールのボリューム感を見ると、その2本に見られるシャープさとはちょっと違い、微妙にふっくらしています。アルほどではないですが、JSやDHDなどの典型的なAUS系のレールよりはちょっと厚めの感じです。JSスタンダードやFLYBOYは、レールが落とし気味で、しかもテール側のエッジが強いため、波に噛んでいる感覚が極めて分かりやすく、ピシピシとライダーに伝わってきますが、コンバットの場合、先の2本に見られるパキっと感は若干弱く、JSにしてはソフトな乗り味、というのが第一印象でした。

ターン時のフィーリングですが、前足への荷重を強くして、ドライブをかけながらカービングに持って行こうとすると、あまりナチュラルな曲線を描いてくれない気がします。典型的なフロントフッターの方が乗られると、前足付近の動きは、やや硬く感じられるのでは?と思います。見た目的には、全般的にちゃんとロッカーも付いていて、前足によるリードでも回ってくれそうな気もするんですが、なぜか、そうでもありませんでした。JS独特の、ボトム側のレールが微妙にハードな、立ち気味のシェープになっているせいかもしれませんし、ひょっとしたら前足付近のロッカーの特定の範囲で、若干抑え気味のロッカーになっている部分があるのかも知れません。このあたりは、推測であって定かではありません。しかし、この前足付近の動きも、慣れるにつれて、意識しなくなります。後ろ足への入力を意識しつつ、前に伸ばしたい時は必要に応じて前足を使う、という感じの板さばきで、ごく自然に乗れるようになってきます。

さて、そんなわけで、今度は、後ろ足への荷重を重視して乗ると、逆に非常に小さな半径で、異様にクィックに回ります。同じくテールの回転性が強い板の中に、先日アップしたアルメリックのm4がありますが、テールが逃げる感覚でルースに回っていくm4とは非常に対照的で、テールをピボットのように固定にして、ノーズを一気に振るような、そんな動きに近いです。この動きは、波のブレイクが早かったり、セクションが急激に変化して、一気にノーズを特定方向に振らなければならないような場合に、非常に強力な武器になると思います。強烈なテールの回転性によって、持って行きたい時に、タイムラグを生じないで技に入っていける、というのは、あらゆるセクションにおいて非常に有利であることは間違いありません。

サーフボードのシェープというのは、ホントに微妙なもので、板の動きとデザインの関連を、僕のような素人が研究したところで、どこまで正確に把握できるかは微妙ですが、自分なりにコンバットのテールをちょっと観察してみました。

コンバットのテールは、サイドフィンのちょい上くらいからテールの先端までが、ロッカーのカーブが微妙にきつくなっており、同じくサイドフィンのちょい上くらいからセンターフィンのあたりまでに、VEE(山型の盛り上がりのような形状)が見られます。VEEは、ピボットを作り出し、イージーにシャープなターンをメイクするのを助ける効果がある、とされています。なので、このコンビネーションによって、特定の位置からテール寄りに荷重をかけた際に、非常にコンパクトな回転性を発揮するようになっているんではなかろうか?と推測するわけです。

ちょっと気になったのは、回転時のパンチ力は、JSにしては(注意!あくまでJSにしては、です)ちょっと弱いんじゃないだろうか?という点でした。しかし、この印象は波のサイズがある程度上がってくると、大きく変わりました。やはりJS!レールのボリューム感にも関係があるのかも知れませんが、ある程度パワーのある波でしっかり体重を乗せて回してやると、ボトムからの飛び出しは非常に強くなります。最も、このレールを、いかにパワフルに踏めるか、というのもコンバットのポテンシャルを引き出す上で重要なポイントになるような気がするんですが、うまくパワーをかけながらターンすると、ポケットからの飛び出しは強烈です。うまく行くと、「おわっち!」と思うほどのプッシュが得られ、一瞬驚きます。しかも、テールの回転性のおかげで、そのプッシュが前にではなく、縦に入りますから、なかなか強烈です。パワー系のサーファーが乗ったら、非常に暴れん坊なサーフィンになりそうです。

それからもう一つ、個人的に気になったのは、やはり、先ほどの前足部分の動きです。先ほど書いたように、コンバットは、テールの回転性は非常に強いですが、前足による回転性があまり高くないように思われます。そのため、前足のリードでドライブをかけ、カービングしながらの伸びのあるターンに持って行きたいときには、どうやって乗ったら良いんだろう?という疑問が生じます。

これに関して、僕の取った方法が理想的であるかどうか定かではありませんが、比較的デカいフィンを付ける、という方法で、タイトなターンと強いドライブを両立させるという、非常に面白い乗り方を発見しました。僕がこの板に付けて、最も面白いと感じたのは、アルメリックのデザインしたGAMでした。GAMは、比較的大きめのフィンで、軽量な日本人サーファーには、やや重いんじゃないだろうか?と思われる方も多いと思います。ところが、コンバットのクィックなテールに装着すると、板の強い回転性から生じるパワーがそのまんまフィンに伝達されて、水をより強力に掻き出す効果が発生します。ですから、ポケットからの飛び出しもより一層強くなり、トップでのスプレーの量も格段に大きくなります。GAMは、これまでにも他の板で使用しましたが、正直、この板ほどこのフィンがフィットしたと感じられたことは、今までありませんでした。試してはいませんが、GRなどの他の大きめのフィンを付けても、似たようなフィーリングが得られると思います。

どんなサーフボードにも言えることですが、大きなフィンを付けると、多かれ少なかれ、クィックさは減じられます。コンバットの場合も、ちょっとだけ減じられますが、そもそもテールの回転性が強い板なので、スルッと回っちゃって物足りない、という人には、むしろちょうど良いくらいではないでしょうか?それよりも何よりも爆発力がデカマルになるのが、とっても素敵です。仮に多少クィックさが減じられたとしても、それによって得られるパンチ力の面白さに比べたら屁でもない感じなので、板を回すことに自信のある方は、ぜひ試していただきたいと思います。

タイトに回しながら、ギュイーンと力強く次のセクションに向かって突き進んでいくなんて、とっても素敵じゃないでしょうか?僕の中には、前に伸ばす時は前足によるドライブ、タイトに回す時には、後ろ足重視でコンパクトに、みたいな先入観があったんですが、コンバットとGAMの組み合わせは、強い回転と強いドライブを両立させるような、かなり新しい感覚です。これまでにも、ルースな板に大きめのフィンを付けるということは試したことがあるんですが、ここまでのフィット感というか面白さは得られていないように思います。

JSの板は、いつも乗るたびに若干のとまどいを覚えますが、乗り方が分かってくると、とても面白くなって来ます。このコンバットについては、パワーのない波でも、それなりに走りますし、どんなサーファーでもそれなりの乗れるとは思うんですが、やはり、最も面白いのは、というか、板のポテンシャルを最大に引き出せるのは、ある程度パワフルな波で、パワー系のバックフッターの方がグイグイプッシュしながら乗った場合ではなかろうか?という印象が強いです。このあたりの判断は、決めつけるのは良くありませんから、興味のある方は、ぜひ、ご自身で試していただきたいと思います。別にプッシュが弱くても乗れるは乗れると思いますが、パワー系の人が乗られた場合と比較すると、ひょっとしたら、あまり面白くはないかも知れません。JSスタンダードに乗ったときも、足に来る板だな〜、と感じたのですが、このコンバットでも、やはり、足に来る板だな〜、という感じを持ちました。スタンダードとコンバットでは、ずいぶん性格が違うんですが、なぜか、JSに乗ると攻めたくなります。きっと、ハードに乗れば乗るほど、板の持ち味が引き出されるようなシェーピングになっているからなんだと思います。

正直、乗り始めは、走行感もソフトで、パンチ力もJSにしてはどうかな?という感じがあったのですが、乗り込めば乗り込むほどに、パワーの引き出し方が分かってきて、結局は、ボトムからの飛び出しの強さやトップでの爆発力が快感になってしまいました。JS、またしてもヤラレたゾ!という感じです。

やっぱりJSのトラクターマークは、きっと伊達じゃないんだと思います。ロゴのデザインを決定する上で、重量級のヘビーな乗物が、ゴォーっと爆走するあの絵は、まさにジェイソン・スティーブンソンのシェーピングを体現したかのような、ツボを押さえたデザインだったのかも知れません。シェーパーによって、板のテイストは本当に様々です。フォーミュラカーのようなテイスト、スポーツカーのようなテイスト、スポーツセダンのようなテイスト、などなど、例え方は色々ですが、このパワフルなトラクターは、洗練されたスポーツカーをもぶっちぎってしまうようなポテンシャルがあります。そんなパンチのあるマシンで豪快なライディングを決めたい方は、ぜひ、JSでトップギアにぶち込んじゃってみることをお勧めします。気合いを注入すれば、良好な回転性と上質なパンチ力で応えてくれる、そんな板ではないかと思います。

(2005/6/20)

 

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