第6回 パワーゾーンなんて外しちゃえ!

 

えっと、波にはパワーゾーンってものがありますよね?最も力強くプッシュしてくれるエリアですよね。下の図1を見てください。

岸側から見た波です。パワーゾーンは上過ぎず下過ぎず、波の中腹くらいにあって、ピークから離れるほど力は小さく、エリアは狭くなって行く。ま、だいたいこんな風なイメージになるかと思うんですね。

よく、パワーゾーンをうまく使え、って言いますよね?なので、まずはパワーゾーンをキープして走ってみましょう。ゾーンをキープすることで、板がぐーっと波に押されるのを感じることができますよね?ライン的には、だいたいこんな感じになるんじゃないでしょうか?(↓)

まず、トップからパワーゾーンに乗って斜めに下り、ゾーンの下側でターン。上に向かって、今度はゾーンの上側でターン。こうするとですね、確かにパワーゾーンをフルに活用していることになるんですが、なんか物足りないと思いません?

そうなんです。波の狭い部分しか使わないからターンが浅くなるし、しかも、傾斜のある波の中腹部分は、板を回し込みにくく、ターンしても前に前に伸びてしまって、リップから遠く離れちゃったりしません?それに自分で加速しているというよりも、何となく波に押してもらっちゃってる、という感じがしませんか?

そこでですね。思い切ってパワーゾーンを外してみちゃってはいかがでしょうか?

がんばってパワーゾーンをキープしようとするあまり、小刻みな、おっとっとターンになってしまったり、レールを深く入れられなかったり、深く入れたらショルダーの向こうまで飛び出てしまったり、その場でつんのめってしまったりと、そんな経験をした人は案外多いんじゃないでしょうか?パワーゾーンを上手く使え、といっても、パワーゾーンから出るな、ってことじゃないんですね。

では、ライン取りを以下のように変えてみましょう。

サーフボードは、波の斜面よりもボトムに下りきったところで最大の回転性能を発揮するようにできてます。この特性を生かして、まず板が最も旋回しやすい場所にもって行って、そこから波が崩れちゃう前に素早くトップに戻って次の動きにつなげていく、といったイメージです。

これをライン取りで見ていくと、まず、テイクオフしたら今までよりラインを下に取ります。パワーゾーンを飛び出して、よりボードが旋回しやすくなったところでターン。そうすると、板は波の中腹で回すよりも強く旋回してくれるので、今度はパワーゾーンに対してより角度を付けて上って行くことができます。岸側に移動してくる波に向かって反対方向に走っていくことになるので、ボトムからトップへ上がるスピードは非常に速くなります。続いて、パワーゾーンの上側へ飛び出してトップでターン。ここでも中途半端な波の中腹でターンするより、より切り立ったトップで回した方がボードは良く回ります。(波がボヨついているときなどは、中腹で回した方がベターなこともあります)

より上下に大きく移動する、ってことを前提にすると、先ほど説明したパワーゾーンの他に、もうひとつ別のパワーゾーンが存在すると考えても良いかも知れませんね。

上のように、ショルダーの、よりピークに近い部分は、トップがシャキっと切り立ってて、ショルダーがえぐれてて、ボトムがぐわっと掘れてますよね。この部分は、トップの角度も急で、かつボトムの巻き上げも強いので、より縦の移動に適しています。このあたりを上手く生かしてライディングできると調子良いんじゃないでしょうか?

さて、いかがでしょうか?レールを使ったドライブのあるターンができない、うまく加速ができない、という人の中には、パワーゾーンをキープしようとし過ぎて、波の中腹から出られず、大胆な体重移動を必要としないゾーンに自分を閉じこめてしまっている人が多いようです。これでは、結果として波が押してくれるラインに依存してしまい、板や波に対して自分から積極的に働きかけて加速したり、ターンしたりすることができなくなってしまいます。さあ!パワーゾーンの呪縛から解き放たれて、もっと大きなサーフィンをしよう!新たな世界が、バックリ口を開けて君を待っているぞ!

次回はターンの説明をしてみたいと思います。「パワーゾーンなんて外しちゃえ!」って言っちゃったんで、これでボトムターンの説明がなかったら、オイオイ!ってことになっちゃいますからね。しっかり下りて、ガッツリ回って、ビヨーンと飛び出す、ってな感じで行かないと、ただボトムに下りただけじゃ、失速しちゃったり、抜けられなくなっちゃったりしますからね。

昔勤めていた会社に、年配の方で「ナニがぁ〜、ナニしてぇ〜、ナニだからぁ〜、ナニだろ?」と説明する人がいました。最後まで話を聞いても、結局何が言いたいのか良く分かりませんでした。だから、次回は、ガッツリとかビヨーンだけじゃなく、具体的に説明したいと思います。もっとも、その人にしてみれば、十分に具体的な説明だったんだと思います。同じ日本人でも、コミュニケーションというのは難しいものです。

実は、今回のライン取りの話、ごく最近、僕が実際に受けた、上達を目指す熱心な友人、ケンタローマンからの相談がベースになっています。ケンタローマンには、はからずも「やっちゃってみる?」のネタ作りに協力してもらったことを、この場を借りて感謝したいと思います。ありがとう!ケンタローマン!

さあ!いよいよ、らしくなってきましたよ〜♪テイクオフの課外授業でハナマルをもらったら、次はガッツリ、ボトムターン!

2005.2.22 ゴーゴー

 

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