第14回 どこでもパドルトレーニング
どこでもドアって、すごい道具ですよね。あんなものがあったら、いつでも波の良いところにトリップに行けちゃいますね。でもドラえもんはのび太を甘やかし過ぎているように思います。のび太も泣きゃ〜良いと思ってるんじゃないでしょうか。「ドラえも〜ん!」とすがりつけばホイホイ、ホイホイ便利な道具が出てきます。本来ならそこでドラえもんが「甘ったれんじゃねぇ!」と気合いを入れてあげなきゃいけないのかも知れませんが、「んもぉ〜仕方ないなぁ〜」と来たもんです。果たしてあの子供は人間として成長できるのでしょうか?いつの日か最終回が来ることがあれば、結末を見てみたいものです。
おっと、つい夢のないコメントになってしまいましたね。年齢を重ねるとだんだんこうやってゆがんだ性格になって行くんでしょうか。え〜ところで今回はですね。ちょっと便利なトレーニング方法をご紹介したいと思います。名付けて、「どこでもパドルトレーニングゥ〜♪」
正直に告白しますと、僕はパドルトレーニングがあまり好きではありません。目の前に追うべき波がないパドルなんて、僕にはツラ過ぎます。ですが、海に行く時間も上手く取れず、忙しさにかまけて肉体を放置してしまうと、いざ入水したときに、必ずや厳しい現実にさらされてしまいます。思ったようにパドルに力が入らず、体力も持続しないと、楽しいはずのサーフィンもだんだん悲しくなってきます。少しばかりの陸トレなど、焼け石に水なのかも知れませんが、それでもきっと何もしないよりかはマシなのかも知れません。
昔、友達が言いました。「幸せになるためだったら、ちょっとくらい不幸になっても構わない」と。エンジョイするためにやっているサーフィンです。陸上で地味なトレーニングにいそしむなんて、ともすればバカバカしくも思えそうです。しかし、友人の言葉を借りて言うならば、「ハッピーにサーフィンするためなら、ちょっとくらい苦しい思いをしても構わない」ということになるのでしょうか。トレーニングの必要性については皆様に判断をゆだねるとして、ここでは、本気で鍛えたい人のために、ちょっと便利な方法を伝授したいと思います。
この方法は、
- いつでもできます。
- どこでもできます。
- 特定の器具を必要としません。
- 負荷を無段階に調整できます。
- ちゃんとやれば、割かし効果はあります。
という素晴らしいものです。陸上で1日の大半を過ごす私たちにとって、パドルで使う筋肉は、私生活ではほとんど使うことはなく、10日も海に入らずにいると筋肉も徐々にふやけてしまいます。ところが、この方法を使えば、ナント!海の中でパドルするときと極めて近い筋肉を何の道具も使わずに鍛えることができるのです。では、方法をご説明しましょう。
- 真っ直ぐ立ちます。
- どちらでも良いので、片方の腕を上にあげます。
- あげた腕を上から下におろします。このとき、上げた腕の手のひらを下に向け、もう一方の腕の手のひらを上に向け、両方の手のひらを合わせます。(下の手のひらを上の手のひらにそえるので、結果的に両方の手が上にあがります)さらに、下の手のひらで上の手のひらをプッシュして、上の腕が簡単におりないように抵抗を与えます。下に向けた手のひらは、完全に真下を向いている必要はなく、自分が普段水中に腕を差し込んだときと同じ角度でオッケーです。
- 下からの抵抗に負けないように、より力を入れて、徐々に上の腕を下におろします。
- 今度は反対に、さきほど抵抗をかけていた方の下の腕を上にあげ、逆に上からおろしていた方の腕を使って下からプレスをかけます。
- そのようにして、上記2〜4の手順を、左右の腕を入れ替えて行います。
- この手順を心ゆくまで反復します。
もう少し簡単に言うと、立ったままの状態で、パドル時のように腕を交互にグルグルと回し、上から下にさげようとする腕に対して反対の腕で抵抗を与えることで、擬似的にパドル時の負荷を再現するわけです。
補足事項
- 腕を下ろすときに手のひらがたどる軌道は、実際に海でパドルするときと同じストロークで行うと、より効果的です。
- 実際に海でするように、ちょっと胸を反ってやっちゃってみると、パドル時に使用する筋肉とより近い筋肉を鍛えることができます。
- 海の中でパドルしていると、水を掻くときだけでなく、水から抜いた腕を空中で前方に持ってくるときも、それなりにエネルギーを使うことが分かります。パドルトレーニングにおいても、さげた腕を上にあげる際に、海でパドルするときと同じように身体の外側(肩の横)から腕を上げるようにすると良いでしょう。これによって腕をあげるときにも微妙に負荷がかかるので、より現実的なトレーニングが可能になります。
- 負荷の度合い、パドルのスピード等は、お好みで調整してください。テイクオフ時のパワーを鍛えたいときは負荷を重くし、アウトに出るときの持久力を鍛えたいときは、軽い負荷で長い時間行います。
- テイクオフのトレーニングをするときは、あたかも目の前に海があり、波が接近してくるイメージで訓練すると、効果的なイメージトレーニングができます。波が接近するにつれて徐々にスピードとパワーを上げるようにしてください。特にパドルをトップスピードに乗せるのが遅く、波に置いて行かれることが多い人は、波のピークがまだ背後にある段階でパドルを全開にするように習慣づけてみてください。
地味な動作ですが、継続すれば必ず効果を確認できますので、少しでも多くの波に乗りたい、少しでも早くテイクオフしたいと思う方は、ぜひトライされてみると良いと思います。
以前にも書きましたが、僕は海なし県の生まれで、今のように頻繁に海に行けませんでした。これはそのときに編み出した方法です。当時はテイクオフ時のパドルパワーが上がったのを体感し、「こりゃ、まんざらでもない方法だ」と合点したものでした。
え?どこでもできるって言うけど、人前じゃできない?そんなことはありませんよ。職場であろうと駅の構内であろうと、どこでだってできます。いや、人前だからこそやっていただきたいんです。恥ずかしい状況を乗り越えることができれば、メンタルトレーニングとしても活用でき、まさに一石二鳥です。一度食べて二度美味しいこの方法、むしろ喜々としてやっていただきたいと思います。
ではここで、アタクシゴーゴーが模範的なトレーニング例をお教えしましょう。イメージしてください。
アナタは繁華街で人と待ち合わせをしています。待つ間の時間がもったいないアナタは、おもむろにパドルトレーニングを始めます。えっさえっさとトレーニングにいそしむアナタに興味をそそられた人が「ナニをやってるんですか?」とたずねます。
さあ、そこでアナタなら何と答えるでしょうか?
そうです。褐色の肌からギラギラと輝く眼をのぞかせて、「今流行の、デューク更家のウォーキングダイエットですよ」と答えてあげましょう。なおかつ、モデルのように足を交差させて歩きながら、ワン、ツー、ワン、ツーと号令をかけられれば完璧です。周囲の視線は、そんなアナタに釘付けです。もうこうなればアナタの独壇場です。誰もついてこられません。そしてアナタは心の中で、秘かに勝利を確信するのです。そうです!合い言葉は、「アタシは女優!」
デューク氏によれば、女性は毎日心の中で「私は女優」と自己暗示することで心と体が健やかになるそうです。それなら我々サーファーは、「オイラは男優」、じゃなかった「サーファー」と自己暗示すれば良いんですね♪
ですけどね、本当の試練は別のところにあります。それはですね、継続する、ということなんですね。考えてもみてください、殺風景なオフィスや雑踏の中でいくら一生懸命パドルしても、そこに取るべき波、あるべき報酬がないのです。おそらくですね、ウォーカーのように走っても走っても景色が変わらない器具の上で飽きることなく身体を動かし続けられる人なら、このトレーニングも持続できるんだと思うんです。しかし!あのエキサイティングなサーフィンというスポーツを愛してやまない私達に、果たしてこんな単調な反復運動が耐えられるでしょうか?このあたりの壁をいかに克服し、モチベーションを維持できるかが成功の鍵と言えそうです。
かく言うゴーゴーも、これほど切々とパドルトレーニングの重要性を説いておきながら、正直あまり実践していません。ですが、少しでも向上したいと願う皆さんには、きっと役に立つのでは?と思うわけであります。
プロでもない限り、四六時中水に浸かって、実際のパドルのみでパドル筋を鍛えるのは難しいものだと思います。しかし、プロであろうとなかろうと、少しでも希望があるならば、光の差す方へ向かって歩くべきではないでしょうか?いつの日か輝けるときのために。そう!なんたってアナタは男優、じゃなかった、サーファーなのですから!
(エンディングテーマ:なんてったってアイドル)
なんてったてサ〜ファ〜♪なんてったってサ〜ファ〜♪
2006.3.18 ゴーゴー
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