第16回 動きをリンクさせちゃおう!

 

たいへん長らく更新が滞ってしまいました。めまぐるしく変わる日常の中で、いつも心奪われる存在、サーフィンの魔力に取り憑かれ、仕事にテンパっては海へと向かうなんちゃってサーファー、ゴーゴーです。皆さん、心の底からサーフィンをエンジョイされていますか?人間ですから調子悪いときもあるかと思うんですが、いつか訪れるであろうその瞬間のために、せめて心だけでも海に向かっていただきたいです。

今回ですね、これまでも説明してきました前足のリードや上体のリードをですね、一つの動作にリンクさせて、効果的にターンに持っていく方法について説明したいと思います。

かなりの部分で第8回第9回に重複しちゃうんですが、でもこれはですね、おそらく敢えて書かなければなりません。自分が思うのは、ぜひ、皆さん自身にその効果を証明していただきたい、ということです。

言うまでもなく、サーフィンに必要とされる動作は極めて複雑です。ボトムターンという一瞬の動作の中にも、サーファーが行う作業には、縦の動き、横の動き、前後の動き、回転の動き、と実に多様な動作が折り込まれています。ほとんどどの動きも必要なものなんですが、それがうまく必要とされるポイントで入ってないとピタッと行かないと思うんですね。

まずは、過去のやっちゃってみる?のおさらいを兼ねて、ターンの仕方を順を追って説明したいと思います。いつも言ってることですが、僕は自分のターンの仕方が正しいかどうか分かりません。たぶん、やり方は幾通りもあると思うんですが、そのうちの一つ、くらいにお考えいただいた方が良いかと思います。

@ 「波のパワー」で下りておきます。

波のトップからボトムへ下りるところです。赤い矢印はボードが波に押され、ビューンとボトムへ下りていく力を表しています。矢印が真下を向いていますが、板と人間は真っ直ぐ下に落ちていくわけではありませんから、ここでは大ざっぱに、波に押されて下りていくときの力、ということにしておきましょう。特に矢印の向きとか長さにはこだわらないでください。Aの動作、Bの動作でパワーが加算されていくのを絵的に表現したかっただけなのです。

この段階で、徐々に曲がりたい方向のレールを入れていきます。「徐々に」と言っても、サーフィンでは一瞬の出来事なので、実際にはゆっくりレールを噛ませる時間などありません。ボトムに到着する前に素早くレールを入れます。と言った方が適切かも知れません。

可能であるなら、出来るだけ早い段階からレールのセットを開始することをお勧めしたいです。この動作が遅くなればなるほど、ターンも後手に回ります。

レールを入れるタイミングが後手に回ると、全部が後手に回ります。ターンの入り始めで既にレールが噛んでいればボトムでのプレスもかけやすく、またボトムターンとトップターンのつなぎにもゆとりが出ますが、ボトムに到着してからいきなりレールを入れようとしてもレールが噛んだときには既にボードが上方へ向かう旋回に入ってしまい、プレスってどこでかけるの?という状態になっちゃいますし、何よりトップターンへの予備動作が完璧に遅れます。

トップターンの予備動作を入れるベストなタイミングは、ボトムターン直後であると思います。ボトムターンの早い段階からレールを徐々に噛ませていき、ボトムでスパッとプレスをかけられるようにしておけば、ボトムの通過点直後から、素早くレールを入れ替えたり、逆回転の上体のリードを入れ始めたり、といったトップターンのために必要な動作を開始できます。ボトムからトップまでの時間は一瞬なので、これくらいのイメージでトップターンの動作を開始しても、決して早すぎたりはしません。

A 「重心パワー」をかけます。

ボトム付近に到着する前に、一気にかがんでウェイトを下にさげます。

僕はこの動作は意外にもとても難しいと思います。この動作を入れる前に、既に板は走り出していて、足裏とボードとの接地感覚は固い地面の上に立っているときよりも、うんと弱くなっています。ですから地面を踏みつけるのと同様の感覚は得られにくく、足裏に強いプレス感を求めて踏みつけてしまうと、思わず足を伸ばし方向に動かしてしまい、かえって身体をかがめる動作をスキップしてしまいがちです。イメージとしては、踏む、というより身体をスプリングのようにギュッと縮める、とか、手を水面にスッと近づける、とか、前ヒザを腹方向に引き寄せるとか、そんな感じが良いかも知れませんね。どんなイメージでも良いので、身体全体が一瞬低くなるようにして、ウェイトを下方向に落とせればしめたものです。低く、といっても、これがまた波のトップからボトムへ下りていく中でのことなんで、下げの動作に重ねて入る下げ、になっちゃうんですね。だから余計に難しいんだと思います。何回も何回も、身体が覚えるまで反復して訓練してください。こんなことを書いている自分でも、漫然とサーフィンしているときには、この動作はうまく入らないことが多々あります。多々と言って良いほど、自分はこの動作がヘタであると思います。でもこれが入らないと、ボトムターンにまろやかな粘りが欠けちゃうんです。ボトムでムニュっと来る感じ、といえば分かっていただけるでしょうか?うまく説明できないんですが、板と水との間に吸着感のようなものが発生します。常に伸ばし方向の動作にのみ気を取られていると、動きが硬くなってしまうように思います。

DVDなどで、あこがれのサーファーが全身でサスペンションのようにウネウネ、ウネウネ、動いているのを見ますと、スゲーなー、ステキだなー、とついつい見入ってしまいます。すると妻から「それって、楽しいの?」と聞かれます。見知らぬどこかの外国人がサーフボードに乗ってクルクル、クルクル動いている様子が永遠と繰り返される映像が、妻的には我慢ならないようです。これを聞かれたのは一回ではありません。「こういうのが、楽しいんだよね?」「この人達が、色々やるのが良いんだよねぇ?」と、そんなものに夢中になっている夫が哀れでならない、といった風です。「全く理解できない」の同義語に近いようなコメントをそれとなくビシビシ入れてきます。別に楽しかぁ〜ないんだけど、ある種の興奮は覚えます。それは異常なことなんでしょうか。。。。皆様だったら、そんな妻にどんな説明をしてあげられるでしょうか?

うちの妻はサーフィンをやりませんし、僕がやっているところを見にも来ません。妻にとってサーフィンとは、夫が映像で楽しむナルシスティックな神秘の花園、なのかも知れないです。

さて、これによって@の波のパワーに「重心パワー」が加わりますね?

もし、このコーナーを読んでいらっしゃる方が、ターンの基礎を覚えたいレベルの方だったとしますと、ぜひ、このときの重心パワーを、思い切って前足に集中してかけていただけないでしょうか。というのは、前足によるリードだけで、いったいどこまで角度のあるターンをメイクできるんだろうか?というのを、実際に体感してみていただきたいんですね。

下のイラストにある二重丸のあたりに集中させてグッと重心をかける感じです。

このとき、すごく強いプレスが前足部分にかかっちゃうので、乗り位置が前過ぎていると、ひっかかっちゃったり、突き刺さっちゃったりします。強烈なプレスが入ってもネガティブな挙動を引き起こさない程度まで、乗り位置を引き気味にセットする必要があります。乗り位置を引き気味にセットすると、めいいっぱいのプレスを前足にかけることができ、さらに前足のプレスを取り去った後のウェイトが自然とテールに来るので、結果的に旋回性にもポジティブな影響を与えます。

前足を前過ぎない位置、たとえば板のセンター付近にセットできていたとしても、棒立ちで前足だけを曲げると、これもやはりアンバランスになり、前のめりになる原因となります。後ろ足も適度に深く曲げ、前足だけでなく、全身でかがむようにしてください。

前足のプレスが強調されることが多いためか、一生懸命前足のヒザを曲げ、必死に前に重心を乗せようとするものの、後ろ足がダラっと伸びていて腰が間延びしたように浮いているケースを見かけます。腰が浮いていると重心を低くするにも限界があり、板と身体との密着度が下がるために、技のメイク率は低くなります。特にターン後半で板から落ちるとか、上体のリードが下半身に伝わらず、上体を大きくひねっているのに板は直進してしまって、ポチャッと落ちたり、っていうのは、腰が間延びしているときに起こりやすいように思います。

前足荷重、といっても、前足だけしか使っちゃいけないとか、他の部分は固定しておいてください、ということではないので、腰全体、またはオシリ全体を低く落とすようなつもりで重心を下げる方と安定したターンをメイクできると思います。

また、今回は前足にプレスを集中するような説明をしていますけど、お乗りになられる板やご自身のスタイルによって、適宜、最適な配分で入力されると良いかと思います。

さて、Aまで来ると、波のパワープラス重心パワーで、事前に入れておいたレールはさらに深く水中に埋まりますね?この力が生きているうちに、第三の力を加えます。

B 「脚力パワー」をぶち込みましょう。

縮めた前足を伸ばし方向に動かし、ボードへのプレスをさらに強めます。イメージとしては、前足を伸ばす、というより、足を下方向に押し込む感じです。どちらにしてもやることは同じなんですが、イメージ上の話として、足を伸ばすことで頭が浮いちゃうんじゃなくて、足を水中方向に埋め込むようにプッシュする、といった感じです。

これは正しいかどうか分かりませんが、自分の場合、このプレスをかける方向は、真下、つまり板の面に対して直角ではなく、「微妙に斜め前」めがけて押し出す感じにしています。これはホントに微妙で、ごくごく僅かな程度です。ほとんど下方向なんですが、入力のベクトルは気持ち傾いていて、斜め後方から斜め前方に入るようにしています。その方が、ターンの後半でプレスを抜いた際に重心が自然とテール寄りに移行しやすく、よりタイトなターンに持って行きやすくなるからです。

それと、真下にプレスを入れるためには、ボードに対して真上からプレスをかけることになりますね?ということは、反発が生じて板が飛び出そうとするのを、自分で板の真上から抑え込んじゃってるのと同じです。鋭い旋回にもって行きたいときには、プレスを入れるだけでなく、リリースさせることが必要です。ですから、強いプレスをかけながらも、その後のウェイトを効果的に逃がしてやり、それによって板を、パコーン!と上に飛び出しやすくしてあげるやることがこの「微妙に斜め入力」の目的です。

極端になり過ぎないよう、くれぐれも注意してください。やりすぎると前足がズルっと板から外れますので、ほんの僅かな角度で良いと思います。

さあ!これによって、波のパワー、重心パワー、に「脚力パワー」が加わり、ボードにかかる力がマックスに達します。

頭以上くらいの波でこれを強くやりすぎるとオーバーパワーになって波から弾かれたり、その後のコントロールが難しくなったり、ということもあるかと思いますが、おそらくヒザ〜頭くらいの波ではそういった心配はないので、思い切ってやっちゃいましょう。

全ての力が生きているうちに合わせないといけません。波のパワーが生きているうちに重心パワーを発揮し、波のパワーと重心パワーが生きているうちに脚力パワーを重ねます。

たとえば、重心パワーが死んでしまっている状態で脚力パワーをかけても、板を下方向にプッシュすることはできず、レールが埋まるというより、上体が浮いてしまいます。どのパワーも単体では大きなパワーは発生せず、最大の効果は得られません。@の波のパワーは波が頭を越えてくるあたりから相当強くなるので、これだけでも相当なパワーを得られることがありますが、とりあえずここでは説明を単純化するために、例外と考えてください。

特に波質や波のパワーに恵まれないコンディションでサーフィンすることが必要な人達にとって、こうしたパワーの引き出し方は死活問題です。たとえば誰も技をかけてないようなショボーい波で当てに行っている人がいますでしょ?あれは単に板をテールでクルクル回すだけでは不可能なんですね。波のスプリング、板のスプリング、人間のスプリングの全てを活用して少ないパワーを寄せ集めているからこそ、技に持って行けているわけです。

7回も世界チャンピオンになっちゃったケリー・スレーターは米国内では波に恵まれないエリアとして知られるフロリダの出身です。ケリーの出身地と、最小のパワーを最大に活かそうとするテクニックとは、まるで無関係な話ではないかも知れません。最小のパワーを活かすテクニックは、比較的パワーのある波でも、それをさらに増幅させるテクニックに通じるところがあるのかも知れません。

こういった入力方法が全くの未知の世界である人は、まず、@+Aを重点的に練習し、できるようになったらBを加える、などして、地味にコツコツやられると良いかと思います。一気にやろうとしてもチグハグになっちゃう可能性がありますし、また徐々に段階を上げていくことで、それぞれのパワーが加算されると、どのような効果が得られるかが分かりやすいと思います。

この入力方法の入門者は、まず、板を回すことよりも、最初のワンターンから強い飛び出しを得ることを考えてください。よく「トップターンがメイクできない」「トップで板から落ちる」といったご相談を受けるのですが、スピードがない状態でメイクしなければならないトップターンほど難しいものはありません。バランスを取るために必要な量の横ジーが発生していない状態で板を傾けてレールを入れなきゃならないなんて、すごく無理な話です。レールを入れるなら、レールを入れてもパタっと倒れないほどの十分なスピードが必要です。また低速で無理矢理板を回さなきゃならないなんて、相当無理な力が必要です。

トップターンができていない人の多くは、トップターンができていないんじゃなくて、ボトムターンができていないことが多いんです。ボトムターンですごくパワフルな飛び出しが得られれば、トップターンはとてもイージーです。ただこのパワーっていうのは、マッチョでなければならない、ってことではなく、利用できる全てのパワーを効率よく利用しましょう。ってことなんですね。たぶん、よほど大それたことをやろうと思わない限り筋トレは必要ないと思います。

なんだか脱線しまくりで話が進みません。でも全部、関係ない話じゃないんですね。。。。

では、次に行きましょう。Bまで行けた方は、もうここまでで、相当ビンビンに走れるようになっているんじゃないでしょうか?ここまで行くと、板をギューッと波に押しつけるだけで、相当すごい加速をしているはずなので、ターン云々を抜きにしても、素晴らしいドライブ感と加速感をエンジョイされていることと思います。

C 前足を一気に引っこ抜きます。

ここで、一気にBで押し込んだ足を抜き方向に動かします。足を上に引き上げるような感じですね。ヒザを引きつける、とか、そういったイメージでも良いかも知れません。

これまで前足にプレスを集中させてきたわけですから、板のボトムには相当大きな波のパワーが蓄積されていて、相当強い反発力が生じています。この力を一気に開放して旋回に持っていきます。

このとき後ろ足は特に意識する必要はありません。そえておくだけで大丈夫です。前足を抜き方向に引き上げると、結果的に、自然と大半のウェイトがテールに移行します。このとき生じる、ホールドとリリースの落差、言い換えれば、前荷重と後ろ荷重の落差、を有効に利用します。

効果としては、前足を引き抜いたらケツにウェイトを乗っけよう、と思うよりも、むしろ前足を思い切って振り上げよう、と思うだけの方が大きなウェイトが一気にテール付近に乗るんじゃないかと思います。ぜひ陸上でトライしてみて欲しいんですが、@〜Cの動作を模擬的にやってみて、前足を振り上げてみてください。どうでしょう?相当大きなウェイトが後ろ足にかかっちゃってませんか?ここまでのウェイトがナチュラルに入るんですから、特にボトムターンでは、テールを押し込もうとかは思わなくても大丈夫ですし、特にこれからこの動作を練習したい人には、前足だけでどこまでターンできるか、を知っていただくのも有意義であると思います。

この一気に前足をリリースする瞬間に、さらに別の動作を加えて、もう一段階強い、ひときわ強力な回転に持って行く練習をしましょう。

回転の角度を大きく取るためには、つまりタイトなターンをメイクするには、レールを入れる量を増せば良いのだろうか?より深くボトムに下りれば良いのだろうか?と悩んだ方はいらっしゃいませんでしょうか?キーポイントを波と板の接点に持ってくると、どうしてもここで悩んじゃうと思うんです。ですが、この悩みを打開するには、意外にも水と接していない部分にポイントがあるように思います。

といってもですね。特に目新しい動作ではありません。サーフィンの教本では使い古された感のある「上体のリード」です。このリードは、大変に強力です。とりあえず、足でボードをねじったりすると捻挫のような怪我が心配ですし、それに、そんなことをするより、上体のリードをより一層強くする方が、はるかに強いスナップがナチュラルな感じで入り、タイトで、しかもウェイトの乗ったターンができるように思います。ボトムでもトップでも、上体のリードを強くすればするほど波のエグリ度は強くなります。この動作に目覚めていない人は、なにげにホントぉ?って思われるかも知れませんが、コレが!ホントなんです。僕は板をブン回したいと思ったら、足を意識した動作はほとんど一切しません。ターンの動作中に特定のタイミングで、上体を強く素早くグリンとねじ込むだけです。結果、とても強いプレスがテールに入っちゃうんですが、あくまで入っちゃうのがメインで、足で入れちゃおうという意識はほとんどないです。

DVDなんかで華麗なライディングを見せるあこがれのライダー達が、ドバッとスプレーを上げていますでしょ?アレは一見足でえぐってるかのように見えなくもないんですが、足だけじゃ、あそこまではならないです。だって足はお尻から下の話ですから。怪我のリスクを冒してまで、身体全体の中のたったそれだけの部分をひねっても、かかるプレスはたかが知れてます。足だけで板のエッジをぐっとやったら、板は回るかも知れないですが、どちらかというと、加速ではなく、失速すると思うんです。それよりも上体のリードでもって、全身でターンに持っていった方がナンボか高い効果が得られるように思います。

ここで言う上体のリードとは、上体を進行方向に向けるとかではありません。これもまた上体のリードですので、まったくもって間違いじゃありません。ですが、ここでは説明を分かりやすくするために、それとはまた別の動作で、意図的に上体を強くひねり込む動作、とさせてください。

フロントサイドを例に説明します。@の段階で、ボトムへ向かいながらレールを入れていきますが、多く見られるのが、この時点で上体が完全に波方向に向いちゃってるケースです。これではボトムで上体のリードを入れようにも入りません。既に横に向いてる上体をさらにねじっても、上体は進行方向から後ろに向いちゃうんで、完全にチグハグです。ボトムで強いスナップを入れようと思ったら、@の段階では、出来る限り上体は前を向いていた方がベターかと思います。もちろん、プロとかを見ても完全に前を向いているとは限らず、ある程度斜めを向いている場合も多いかと思いますが、イメージとしては、腰または腹でねじって上体は前、で良いかと思います。まず、これを腰のスナップを入れるための準備段階、と考えてください。

そんな感じでボトムに向かい、Aの段階でひねりの動作を開始します。自分でも良く分かりませんが、正確にはAの終了直後、Bの段階の開始時に、足を水方向にギューッと押し込みながら、同時に上体をグリリンコとねじっているように思います。上体を左右に振る程度なら、別にどんな体勢でもできますが、大きく、しかも強く素早くねじるとなると、それなりに強いプレスがボードまたは波にかかっている状態で、板の挙動が安定していないと、思い切った大きな動きには持って行けないように思います。たぶん、レールがガチっと噛んで、しかも波にめり込んでいて、板がスルスルと動かない状態で、ゥオリャッ!っとキメないと、足が板から外れちゃうと思うんです。外れなかったとしても、力が逃げちゃって、うまくスナップがかからないように思います。

上体をねじっただけで足が板から外れちゃうのォ?と思う方もいるかも知れませんね。上体をねじるとどらくらい強い力が無意識に板にかかっているかを知るために、ぜひ陸上で、Aの腰をかがめる動作から入り、Bの足を押し込む動作をしながら上体を強くひねってみてください。どうでしょう?別に意識して足をねじったりしてないのに、すごい回転の力が前足と後ろ足の両方にかかりませんか?しかも足裏に感じるプレスも相当強いんじゃないかと思います。コレが入るんで、レールが噛んだ状態で持っていかないと、板がどっかに行っちゃうんですね。

さてさて、そんなわけで、強い脚力パワーをかけながら腰のスナップを入れ、腰のひねりがマックスになるあたりで、足を引き抜き方向に持ち上げます。もしかしたら足を引き抜くのは腰のひねりがマックスになるのと同時、くらいが良いのかな?と思うのですが、自分が海でどうやってるかがあまりよく分かってないので、うまく説明できません。ただ、必ずしもこうでなければならない、ということでは、たぶんないと思うので、ご自身で調子良いポイントを探りつつ、思い切ってやっちゃってみることをお勧めしたいです。

単純に、引き抜き力がひときわアップするポイント、ということだけで考えると、強いひねりが最大に達するところで同時に足も引き抜くのがベターではないかと思います。回転の力と引き上げの力が合わされば、かなりの変化を起こせます。ただいつもマックスの回転を板にかけるわけでなく、当然、波に合わせて色んな角度のターンを入れますよね。ですから、狙ったターンが大きい角度であったら大きなスナップで、小さい角度であったら小さなスナップを入れてください。いずれにしても、腰のスナップが終了するタイミングと同時に足を抜く、という点は、変わらないのではないかと思います。

正直、こんなにいっぱいズラズラ書きながら、コレって合ってるんだろうか?って自分でも思います。たぶん自分と違う乗り方をする人もいっぱいいるでしょうし、それはそれで良いと思うんですね。ただ、ここに書かれているやり方を実践すれば、僕が得たのと同じ効果を皆さんも得られます。

繰り返しになりますが、今回、前足だけでどこまでのターンができるんだろう?っていうのを知ってもらうために落としたウェイトを前足に集中するようお勧めしています。ですが、必ずしも、どんな波でもどんな板でもこの方法が正しいってことではありませんので、板やスタイルによって乗り方は変えてください。

同じ板なのに、最高!という人もいれば、なんだかな〜?って人もいますでしょ?回転性の高い板に乗って「抜け」が気になる人、ドライブが足りないと感じる人。ドライブ性の高い板に乗って「板が回らない」と感じる人。などなど、板に対する感想は本当に様々です。ただ、板の特性を知り、それを生かすべくライディングすれば、ネガティブな印象を最小にし、あわよくばポジティブなものに変えられる可能性は残されているように思います。

例えば、すごく良く回る板に乗ると、スルスル動くだけで加速しない、プッシュが得られない、と感じても無理はありません。そういったタイプの板は、いかにして回転させるか、よりも、いかにして板をホールドするか、がメインの課題になってきます。でないと、非常にメリハリのないライディングになってしまうでしょう。

逆に、こいつぁ〜回らない、と感じる板なら、いかにして板をリリースさせるか、がメインの課題になってきます。ドライブ感の強い板を常にホールドし続け、爆発する機会を与えなかったら、なんのために板が波のパワーを蓄えてくれてるんだか分かりません。

ですから、全ての板に対して同じようにライディングすれば、いつも同じ結果が得られるとは限らない、ということを念頭に置いてサーフィンをして欲しいのです。自分は過去に、「この板ダメじゃん!」って言ってたのが、「この板、結構オモシレーなぁ〜」と変化し、しまいには「ダメだったのって、オレッチだったんじゃん!」と、大どんでん返しを食らった経験を持っています。

で、今回は前足に特化した動作について説明していますが、例えばこんなのもアリなんですよ。下のイラストのように前足に集中するように重心を落とす際に、オシリも一緒にボードに近づけるように落とします。

そうすると、ある程度ウェイトが両足に分散されますんで、まんべんなく、より長い部分のレールに対してプレスがかかりますし、前足のリリース後のウェイトがテールに移行しやすくなるんで、ターン後半に回転の軸を作りやすくなります。こういった荷重配分の工夫によって、最適な乗り方を見つけてみてくださいね。

あとですね。イラストはあくまでイラストです。これとまるっきり同じくなるようにマネしたりはしないでくださいね。文章を補完するために作っただけであって、ヒザの曲げ具合とか腕の様子などは、こんな風にしか書けなかっただけなんです。だから、こうしてください、ってものではありません。

さ。いかがでしたでしょうか?これを読んだ明日のリッパー達が「うぉおおお!!!ホントに前足だけでこんなに曲がれんのか!!!」と開眼していただけたら、自分としてはこれ以上の幸せはありません。

上級者の中には「使うのは前足だけ。後ろ足はそえているだけ。」という人も割と多くいるように思います。それくらい前足の威力は強力です。後ろ足の威力も超強力なんですが、もしかしたら、ある程度のレベルに達するまでは、意識的に後ろ足を使ったりするより、上体のリードなどによって自然に入っちゃう程度のプレスの使い方にした方が、ヘンなクセがつきにくい、という意味で安全かも知れないです。

無意識の入力といっても、実際に入るプレスは相当デカいです。おそらく前足のリードだけでライディングする人でも、リップをバシバシ刻む人ならテールはボコボコです。使おうと思わなくても、実際にはかなりテールは酷使されてしまいます。ですから、無理に使わないようにする必要もないんですが、やはり、一定のレベルになる前の人が後ろ足を意識するあまり、ヘンなライディングになっちゃうことが心配です。ビギナー時代の頃、上級者から「後ろ足はそえているだけ」と聞き、ホントにそんなんで曲がれンの〜ぉ?ホントは使っちゃってるンじゃないの〜ぉ?と思ったものですが、今思えば、あの言葉は、あの頃に聞いておいて本当に良かったです。誤ったへっぽこライディングで小さなお山の大将になっていたかも知れない。というのは今だから思います。

でも!!!やりたいことはなんでもやっちゃってみてください!たぶん失敗だって何かの糧になりますし、うまく行ったらめっけもんです。

実は、今回のテーマは長いこと書きたかったものの一つでした。このコーナーをご覧くださっています皆様は、こうした入力方法が既に前のコーナーで説明されていることはご存じかと思います。しかし、敢えて前足のリードというところにポイントを置いて、しかも一連の動作を有機的に結びつけて説明してみたかったのです。

もしかしたら、もっと大胆にテール乗りして、後ろ足で回せば、板はもっと簡単に回るかも知れませんが、おそらく、回転角の大きさに満足できるのは一瞬で、すぐに突き上げの弱さや爆発力のなさ、といった壁に直面することになるだろうと思います。しかし、前足で回す、というのは上級者(自分じゃないっすよ)だからサラッと言いますが、大半の人には割かしスンゲー難しいテクニックなんじゃないかな〜?と思います。しかし、とてもとても重要で、身に付けておくべき動作の一つだと思うんです。乗り越えたときにその大きさを知る、大変チャレンジしがいのある課題ではないでしょうか。

サーファーが板のロッカーとアウトラインだけを利用しても、ゆるやかな曲線に沿った大きなラインのターンしかできません。しかし、日本のビーチブレイクで見られる、素早くシフトする狭いフェイスでは、どうしてもやれることは限られてしまうし、ある程度広い、理想的な波質やサイズがなければライン取りすらおぼつかない、といったことも起こり得ます。だから板の持つロッカーやアウトライン以上の角度で板を回すテクニックを身に付けて欲しいのです。それは波の上を自由に羽ばたくためのテクニックです。ぜひ、新たな境地を開拓し、波乗りの喜びを爆発させてください。自分もまだまだ出来ていないことが沢山ありますので、皆様と共に成長していきたいと思うわけであります。

皆さんの何人かとは実際にお会いし、何人かとは電話でお話しし、ほとんどの方々とはメールでしかコミュニケーションしたことはありません。ですが、おそらく、同じ山に登ろうとする登山隊の一員のようなものです。苦しいときは、一人じゃないと思ってください。たぶん多くの方が問題を共有していて、かすかな手がかりを元に手探りで歩いてます。ヤバいときはベースキャンプから助けに行きます(主にメールです)。

人の縁って不思議です。切りたくなくても切れるときは切れるし、切ろうと思っても切れないものは切れません。縁あってこのHPをご覧くださっている皆様には、いつも温かく見守ってくださっていますことを感謝したいと思います。いつか、の話になってしまいますが、年に1〜2回、皆さんを頼ってごっつぁんツアーに行きたいな〜と思ってます。「ごっつぁん」というのはですね。皆様にポイントを案内していただき、さらにお宅に泊めていただき、そればかりか夕飯までご馳走になってしまおう!という危険な企画です。ある日突然メールが舞い込んだアナタ。アナタは選ばれたラッキーな人です。そんなアナタは、見返りにゴーゴー宅へも泊まれます。ホントです。ただちびっ子達がワサワサとしていて落ち着けないかも知れないです。それに僕のエリアは人も多く、特定のタイミング以外は遠方から足を運ぶほどの波質を見せてくれないことも多いです。それでも良ければいらしてください。

まずその前に、僕は7月にウッディに会いに行きます。ホントはごっつぁんツアーを先に始める予定だったんですが、「マテよ?その前に。。。」と思ったわけです。またその他にも、ウッディよりも前からお世話になっている人にも会い、交流を深め、パイプを太くして来たいと思います。僕はウッディには会ったことがありません。ひょんなきっかけから引き合わされたのですが、コミュニケーションはいつも電話です。某大御所シェイパーやウッディのグラッサーが「スーパーサーファー」と言うほどの腕前らしいので、自分ができないエアでも教わってこようかなと。。。。時間も短いし、たぶん無理ですね。。。。またこの渡豪についても後ほどご報告できればと思っています。

では、いつか皆さんと海でご一緒できることを願って。

2007.6.22 ゴーゴー

 

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